本SSDは現行最新の16nmプロセスのNAND素子を採用したSSDだ。プロセスが1/2になれば価格は1/4になる。ICの値段とは半導体の面積なのである。微細化は寿命の縮小を示す反面価格破壊の原動力なのである。一時期1万円を切る価格で256GBが出ていた。感無量である。
初の16nmプロセスだが実に2200テラバイトを越える書き込みを達成して速度劣化によりテストを完了した。適切にSSD用に設定したWindowsでの使用量が10年間で40テラであることからオーバースペックな耐久性を持つと考える。
■2014年現在のSSDの寿命
【メーカ公開の耐久性データ表・クライアント用】
公開メーカ | 保証書込容量(TBW) | 5年換算の保障値 | NANDフラッシュ書込回数 ※損失含まず |
crucial MX100系 | 73TB | 1日40GB書き込み | 562回(容量128GB) 286回(容量256GB) 141回(容量512GB) |
シーゲート系 600 SSDシリーズ |
36.5TB(容量120GB) 72TB(容量240GB) 72TB(容量480GB) |
1日20GB書き込み 1日40GB書き込み 1日40GB書き込み |
304回(容量80GB) 304回(容量120GB) 152回(容量480GB) |
プレクスター M6Sシリーズ | 73TB | 1日40GB書き込み | 562回(容量128GB) 286回(容量256GB) 141回(容量512GB) |
OCZ Vertex 460シリーズ | 21.9TB(3年保障値より逆算) | 1日24GB書き込み (3年で1日40GB) |
182回(容量120GB) 91回(容量240GB) 45回(容量480GB) |
インテルSSD 530 | 36.5TB(5年保障値より逆算) | 1日20GB書き込み | 456回(容量80GB) 304回(容量120GB) 203回(容量180GB) 101回(容量360GB) 76回(容量480GB) |
SSDの磨耗状態(寿命)の誤解を避けるため、2014年8月現在、メーカの公開情報を提示しておく。メーカが品質保証しているSSDの書き込み総量は36.5~73テラが多い。現在、一流メーカが公開している動作保証はこれだと理解して欲しい。
■耐久テストの対称軸としての書き込み速度
SSDの耐久テストは可能性の一つとして速度とのバーターである可能性がある。ゆえに書き込み速度を提示する。SSDを構成するNANDフラッシュメモリの書き込み速度はイレーズ(消去)速度と密接な関連がある可能性がある。大エネルギーでNANDフラッシュメモリをイレーズすれば当然速度が速くなると推測でき、低エネルギーでゆっくりイレーズすれば遅くなると推測できる。
次の図は加速寿命テストプログラム「ssd_full_cmd」による速度オプション-Sを付けた計測結果だ。測定は各SSDに対して1アクセス1測定の原則に従い行った。「ssd_full_cmd」は一回に10GBのデータを書く。SSD内蔵のキャッシュメモリを瞬間的に蒸発させSSDの素顔の書き込み速度を調べる。
※現在、各種作業を掛け持ちしており、上の図にはMX100-256を編入できていない。注意されたい。
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■一般ユーザの1日の平均書き込み量の算出
SSDの耐久性を考えるに一日の書き込み量を理解する必要がある。これを10GB/日と計算する。この数字は「SSD寿命カウンタ」を設定しているPCにて測定した。「SSDの一日の書き込み量の調査」を根拠としている。
OSの設定をSSD用に設定するフリーウェアを配布している。OSの設定に不安を感じる人は利用されたい。
■測定結果
■計測データ
■テスト機
他のSSDとは異なり、プチフリバスターのロードテスト機(i7+GIGABYTE Z97X-UD3H)に接続する。このPCは先客としてサムスン850Proをぶら下げて耐久テストしている。
2014.10.24にサムスン850ProをWindowsサーバー機に移動、本日よりMX100のみを耐久テストするので注意。850Proは3D-NANDを搭載した高寿命をセールスポイントにしたSSDなので寿命は大分先だろうと考え、16nmプロセス、寿命は短いが値段が安いを売りにしたMX100を本機にて優先的に耐久テストすることにする。
2015.02.15に代替セクターの急増、速度の目に見える低下よりSSDを耐久性テスト機に移転して終息を向かえた。最後は一日量が通常の1/10まで低下した。これを持ってテストを終結した。
■240GB級の初期設定について
今回初めて240GB級のテストを行う。従いガイドラインを述べる。上記のようにフォーマットする。240GBでフォーマットし端数を切る。これは端数サイズがことなる同クラスのSSDと条件を揃えるためだ。
スペースデデフラグの掛け方は基本120GB級と同じだ。空き領域として120GB級の時の20GBの2倍の40GBを指定して残りを乱数ファイルで埋め立て、残りを開き領域とする。
■初見
CrystalDiskInfoのスクリーンショットを示す。このSSDはS.M.A.R.T.の識別子0xADで加齢状況を得る事ができるようである。この値が加速寿命テストによる変化を見て検証できる。
ちなみに過去のテストでこのSSDは約1テラバイトの書き込みが発生している事が判る。
■2343テラバイト目、 2015/2/14
このSSDの特性はだいたい解明できたと思う。
このSSDはNAND素子が傷むとリードエラーの生の値が増加する形で顕れる。S.M.A.R.T.の識別子01が変化した時点で寿命は尽きていると思われる。
S.M.A.R.T.の識別子05、不良セクターの代替処理がこの数値でわかる。
リードエラーが発生し、限度を越えると代替処理が発生するのだろう。記録より最初の代替処理の発生は2014.12.10前後と判る。従い、この時点が事実上の老衰ポイントと考えて良いだろう。
記録より約1400テラバイト前後がMX100が老衰を迎えたポイントと判断する。
またこのタイミングからMX100は速度劣化を始めている。リードエラーが発生するためリトライが発生し、速度が低下しているのだと思われる。セクターの代替処理を示す識別子05が初期値の100から99になった時点、およそ1400テラバイトのこのSSDの限界と判断する。
■2439テラバイト目、 2015/2/25 終了
MX100の耐久性はS.M.A.R.T.の識別し0xADを見るのが正解と結論する。0xADは100に始まり、ゼロまでの間が設計者の意図した範囲であり、ゼロを過ぎると一巡して255になり減少する。一巡して255になるのはS.M.A.R.T.の値が8ビット(0~255の値をとる)のためゼロの次は255となるためだろう。
従い、100~ゼロを取りえる値とし、50%のマージンを考えて100~50までを設計上の寿命。50~ゼロを余裕と推測する。
テスト終了時の代替セクタのインジケータを示す。S.M.A.R.T.の識別子0x05が94まで減少している。これは100に始まる1あるいはゼロで終わることからまだ94%残っていると言えるのだが、SSDの速度が1/10に低下していることより終了宣言をする。
■SSD寿命カウンタへのフィードバック
本記事は、「SSD寿命カウンター」、延命高速化ソフト「プチフリバスター」、NTFSのSSD最適化ソフト「SSDブースター」の検証資料の作成も兼ねている。
「SSDカウンタ」カウンタは全てのSSDに対応している。SSDへの書き込みを累積カウントするアクティブ方式を採用しているからだ。加えてS.M.A.R.T.により加齢情報を取得できる場合はこの情報を使い、より正確な寿命を測定する。2014.10.21日現在、MX100のS.M.A.R.T.情報の反映はなされていない。11月初旬、MX100のS.M.A.R.T.に対応予定である。
このSSDのユーザはこれでこれで寿命の問題から開放可能だ。。
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