トランセンドTS128GSSD340の耐久性テストを行う。2000テラで寿命を迎えた。
■2014年現在のSSDの寿命
【メーカ公開の耐久性データ表・クライアント用】
公開メーカ | 保証書込容量(TBW) | 5年換算の保障値 | NANDフラッシュ書込回数 ※損失含まず |
crucial MX100系 | 73TB | 1日40GB書き込み | 562回(容量128GB) 286回(容量256GB) 141回(容量512GB) |
シーゲート系 600 SSDシリーズ |
36.5TB(容量120GB) 72TB(容量240GB) 72TB(容量480GB) |
1日20GB書き込み 1日40GB書き込み 1日40GB書き込み |
304回(容量80GB) 304回(容量120GB) 152回(容量480GB) |
プレクスター M6Sシリーズ | 73TB | 1日40GB書き込み | 562回(容量128GB) 286回(容量256GB) 141回(容量512GB) |
OCZ Vertex 460シリーズ | 21.9TB(3年保障値より逆算) | 1日24GB書き込み (3年で1日40GB) |
182回(容量120GB) 91回(容量240GB) 45回(容量480GB) |
インテルSSD 530 | 36.5TB(5年保障値より逆算) | 1日20GB書き込み | 456回(容量80GB) 304回(容量120GB) 203回(容量180GB) 101回(容量360GB) 76回(容量480GB) |
SSDの磨耗状態(寿命)の誤解を避けるため、2014年8月現在、メーカの公開情報を提示しておく。メーカが品質保証しているSSDの書き込み総量は36.5~73テラが多い。現在、一流メーカが公開している動作保証はこれだと理解して欲しい。
■耐久テストの対称軸としての書き込み速度
SSDの耐久テストは可能性の一つとして速度とのバーターである可能性がある。ゆえに書き込み速度を提示する。SSDを構成するNANDフラッシュメモリの書き込み速度はイレーズ(消去)速度と密接な関連がある可能性がある。大エネルギーでNANDフラッシュメモリをイレーズすれば当然速度が速くなると推測でき、低エネルギーでゆっくりイレーズすれば遅くなると推測できる。
次の図は加速寿命テストプログラム「ssd_full_cmd」による速度オプション-Sを付けた計測結果だ。測定は各SSDに対して1アクセス1測定の原則に従い行った。「ssd_full_cmd」は一回に10GBのデータを書く。SSD内蔵のキャッシュメモリを瞬間的に蒸発させSSDの素顔の書き込み速度を調べる。
■一般ユーザの1日の平均書き込み量の算出
SSDの耐久性を考えるに一日の書き込み量を理解する必要がある。これを10GB/日と計算する。この数字は「SSD寿命カウンタ」を設定しているPCにて測定した。「SSDの一日の書き込み量の調査」を根拠としている。
OSの設定をSSD用に設定するフリーウェアを配布している。OSの設定に不安を感じる人は利用されたい。
■計測データ
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本記事を読むにあたり、誤解なきよう次の記事を読んで欲しい。前提条件をまとめている。
■データ集計・・・
上の図はCrystalDiskInfoを使い採取した。【AD】となっている箇所、これがS.M.A.R.T.と呼称するディスク情報のうち本SSDの消耗(寿命)情報を表すものと判断する。
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こちらがグラフにした際の画像だ。
当初CrystalDiskInfoのログの蓄積がわからず試行錯誤しているためグラフの計測が170くらいからスタートしているが、実際には200から計測をしている。
途中でカクっと落ちているのは作業を中断したためだと思われる。
トランセンドTS128GSSD340においては【AD】がSSDの設計上の使用範囲と比定する。【AD】は初期値が200で使っているうちに一つづつ減り、最後は1になって止まると考えられる。
実際にまだ到達していないので、あくまで予想の範疇で綴る。
【AD】が1になってから書ける分量は設計上の余裕だから筆者は有効使用範囲に入れるべきではないと判断する。
次に安全率だが、通常は次のガイドラインに従う。
- 設計上の計数範囲の50%を安全係数とする。つまり200~100までが推奨使用範囲であり、100~50まではマージンと考える。
- 壊れるまで書き込めたデータ量の1/3。
トランセンドの設計者が【AD】を設計上の保証範囲として200~1を設定しているのか、安全率も含めて100以上は保証範囲、未満は保証外という風に設計したかはもう少し様子を見る必要がある。
■NANDフラッシュメモリ
念のため分解し、内蔵フラッシュメモリの型式をチェックする。
マイクロンのマークは発見するも型式わからなかった。
3YA27 NW542
3WA2D NW542
というコードはあるのだが、製造ロット番号とICパッケージを表すコードのようだ。
ひょっとしたら、基盤に設置している背面に型式があるのかもしれない。あるいは本当に型式を消しているのかもしれない。リバースエンジニア防止のためにICの刻印を消すというのは良く見かける。
これまで見たきた中で判った機種は19nmか20nmであった。おそらくこれもそうではないかと思われる。
現時点で推定する壊れるまでの総書き込み量はCFD販売東芝製HG6Qが耐久テストで338テラバイトより、とから本SSDも355テラバイト前後ではないかと推定する。
■1957テラバイト目、 2015/4/25
SSDへの書き込みでテストプログラムが永久ループに突入。これをもって終了宣言をする。
このSSDはS.M.A.R.T.の識別子ADをもって磨耗度が判るのだが、このように変化する。注意が必要だ。
ちなみに寿命を迎えた時点でのCrystalDiskInfoの画像を張る。
■SSD寿命カウンタへのフィードバック
本記事は、「SSD寿命カウンター」、延命高速化ソフト「プチフリバスター」、NTFSのSSD最適化ソフト「SSDブースター」の検証資料の作成も兼ねている。さっそく本SSDの情報は「SSD寿命カウンター」に実装している。
本記事の情報はSSDの寿命測定ソフト「SSDカウンタ」最新版にフィードバックしている。この版は現在最新版に反映され、アップデータとして配布している。
このSSDのユーザはこれでこれで寿命の問題から開放可能だ。。