サムスン 840Evo 120GB 耐久性テスト


HDSSD 2.5" 120GB Samsung 840 EVO Desktop SATA 3

サムスン 840Evoの耐久性テストを行った。このSSDは。2014年10月15日に不具合更新の新しいファームを公開している。テストは旧ファームなので注意されたい。不具合は一ヶ月以上前に書き込んだデータの読み取りが極端に遅くなるというものとのこと。詳細は各自検索されたい。旧ファームの問題は本サイトの耐久テストにも現れている。


■2014年現在のSSDの寿命

【メーカ公開の耐久性データ表・クライアント用】

公開メーカ 保証書込容量(TBW) 5年換算の保障値 NANDフラッシュ書込回数
※損失含まず
crucial MX100系 73TB 1日40GB書き込み 562回(容量128GB)
286回(容量256GB)
141回(容量512GB)
シーゲート系
600 SSDシリーズ
36.5TB(容量120GB)
72TB(容量240GB)
72TB(容量480GB)
1日20GB書き込み
1日40GB書き込み
1日40GB書き込み
304回(容量80GB)
304回(容量120GB)
152回(容量480GB)
プレクスター M6Sシリーズ 73TB 1日40GB書き込み 562回(容量128GB)
286回(容量256GB)
141回(容量512GB)
OCZ Vertex 460シリーズ 21.9TB(3年保障値より逆算) 1日24GB書き込み
(3年で1日40GB)
182回(容量120GB)
91回(容量240GB)
45回(容量480GB)
インテルSSD 530 36.5TB(5年保障値より逆算) 1日20GB書き込み 456回(容量80GB)
304回(容量120GB)
203回(容量180GB)
101回(容量360GB)
76回(容量480GB)

SSDの磨耗状態(寿命)の誤解を避けるため、2014年8月現在、メーカの公開情報を提示しておく。メーカが品質保証しているSSDの書き込み総量は36.5~73テラが多い。現在、一流メーカが公開している動作保証はこれだと理解して欲しい。

■耐久テストの対称軸としての書き込み速度

SSDの耐久テストは可能性の一つとして速度とのバーターである可能性がある。ゆえに書き込み速度を提示する。SSDを構成するNANDフラッシュメモリの書き込み速度はイレーズ(消去)速度と密接な関連がある可能性がある。大エネルギーでNANDフラッシュメモリをイレーズすれば当然速度が速くなると推測でき、低エネルギーでゆっくりイレーズすれば遅くなると推測できる。
次の図は加速寿命テストプログラム「ssd_full_cmd」による速度オプション-Sを付けた計測結果だ。測定は各SSDに対して1アクセス1測定の原則に従い行った。「ssd_full_cmd」は一回に10GBのデータを書く。SSD内蔵のキャッシュメモリを瞬間的に蒸発させSSDの素顔の書き込み速度を調べる。

SSD 書き込み速度

□□□PR  ★★SSDの実質容量を数倍にアップ「ハイブリッドドライブ

ハイブリッドドライブ

128GBのSSDで実質512GB以上の体感容量を実現「ハイブリッドドライブ
□□□□□□□□□PR

■一般ユーザの1日の平均書き込み量の算出

SSDの耐久性を考えるに一日の書き込み量を理解する必要がある。これを10GB/日と計算する。この数字は「SSD寿命カウンタ」を設定しているPCにて測定した。東芝の技術資料は平均4GB/日としている。

ssd_opthttp://ssdopt.dnki.co.jp/

OSの設定をSSD用に設定するフリーウェアを配布している。OSの設定に不安を感じる人は利用されたい。

■計測データ

サムスン 840Evo 120GB 耐久性テスト結果】

0d40a5e4a645fc6b96e767d64ac0878e1

□□□□□□□□□PR
★★SSDの便利ユーティリティ高速化ソフト「プチフリバスター」および「SSD寿命カウンタ」、「ハイブリッドドライブ」
Windows 高速化 プチフリバスターSSD寿命カウンタハイブリッドドライブ
□□□□□□□□□PR

本記事を読むにあたり、誤解なきよう次の記事を読んで欲しい。前提条件をまとめている。

  1. SSDの寿命の考え方と加速寿命テスト
  2. 120GB級SSD耐久性テストガイドライン
  3. SSD加速寿命テスト「ssd_full_cmd」

■データ集計・・・

サムスン

上の図はCrystalDiskInfoを使い採取した。【B1】となっている箇所、これがS.M.A.R.T.と呼称するディスク情報のうち本SSDの消耗(寿命)情報を表すものと判断する。

————————

サムスングラフ
こちらがグラフにした際の画像だ。
途中でマシンを変更したため、グラフの計測が25からスタートしているが、実際には100から計測をしている。

サムスン 840Evoにおいては【B1】がSSDの設計上の使用範囲と比定する。【B1】は初期値が100で使っているうちに一つづつ減り、最後は1になって止まると考えられる。
実際にまだ到達していないので、あくまで予想の範疇で綴る。

【B1】が1になってからでは書いても書いても変化しないのでオーバーランしただけ誤差が出る。

【B1】が1になってから書ける分量は設計上の余裕だから筆者は有効使用範囲に入れるべきではないと判断する。

次に安全率だが、通常は次のガイドラインに従う。

  • 設計上の計数範囲の50%を安全係数とする。つまり100~50までが推奨使用範囲であり、49~1まではマージンと考える。
  • 壊れるまで書き込めたデータ量の1/3

サムスンの設計者が【B1】を設計上の保証範囲として100~1を設定しているのか、安全率も含めて50以上は保証範囲、未満は保証外という風に設計したかはもう少し様子を見るべきだろう。

■171テラバイト目、 8.30情報

本SSDの寿命カウンタが1に着底した。SSDのS.M.A.R.T.情報のラベルID:B1の時に約167テラバイト書き込んだことになる。

830EVO 寿命 SMART

加速寿命テスター「ssd_full_cmd」側の記録では171テラバイトである。

901B

SSDのS.M.A.R.T.情報のラベルID:B1の情報は9/1に計った時にはB1は変化せず。ただし生(LAWとも言う)の値が増加していた。S.M.A.R.T.の生の値はカウントを続けているがユーザに見せる箇所は計数終了となっている。

 

830EVO 寿命 SMART

および、S.M.A.R.T.上の寿命を計るB1の値が半分(50)になった時は同じく記録より約80テラバイトである。

840EVO S.M.A.R.T. 寿命 半減

以上より本SSDの設計上の推奨使用範囲は80テラバイト。設計上の限界寿命は171テラバイトと判断して良いだろう。現在、ssd_full_cmdでは200テラバイトまで書き込みが進んでいるが240テラバイト辺りが損壊する所だろう。

本SSDは20nmプロセスのTLC型である。1セル2ビットがMLC型のNANDフラッシュメモリ。1セル3ビットがTLC型であるから単純なシリコン面積は2/3である。つまりMLC型に対して33%ほど寿命が短いと考えれば辻褄が合う。

待ったなしの状態だ。

■362テラバイト目、 2014/10/04、再検討・分解

TLC型で本来寿命が短いはずだが健闘している印象を得る。他の耐久テストでサムスン840Proが600テラバイト以上書き込みが出来たという記事を見たことがある。これのTLC版ならば2/3の耐久性で400テラバイトかける事になる。

しかし19~21nm級のNANDフラッシュメモリの寿命が大きく他と事なるのは何か理由があると考えるべきだろう。

総書き込み量

これはssd_full_cmdのログで現在の書き込み量を示す。362テラバイトの書き込みだ。

ウェアレベリング回数からNANDの消去回数を逆算

これはCrystalDiskInfoの画面だ。こちらではSSDへの総書き込み量が349テラバイトだという。ssd_full_cmdとは10テラの誤差が出ている。全体で言えば3%前後なので誤差のうちだ。

CrsytalDiskInfoのウェアレベリングの情報よりこのSSDは2353回ウェアレベリングがかかったと示している。

∴ 362テラバイト ÷ 2352回 = 一周153GB

以上よりこのSSDの内部イメージは153GBあるように見える。どういうことだろうか?

840 Evo 分解

840Evoを分解することにした。分解防止に特殊な5角ネジを利用している。さらにシールでネジを隠している。

高密度実装
少し信じがたい高密度実装をしている。8月のまっさかりに840Evoの温度がCrystalDiskInfoの測定で50度を超えていたのはこれが理由だろう。高密度くわえて放熱シートが付いていない。おそらくこのクラスのSSDの中ではもっとも熱に弱い方に属すると思われる。

NANDメモリ

K9CHGY8S5M-CCK0というNANDフラッシュが見える。このICは背面にも一つある。検索すると64GBとのこと。

ARMベースのコントローラ

背面の画像。ARMベースのコントローラが見える。写真の上にもう一つNANDメモリがいる。

∴ 一周につき25GB(約20%相当)の誤差が生まれている。

現在、ssd_full_cmdは高速化するため一度発生した10MBの乱数表を繰り返して書いている。これを改良する必要がある気がする。凝るならば無限乱数式(ワンタイムパッド)にして毎回異なる乱数にすることもできるのだが、、、どうしたものか。あるいは乱数表の大きさを単純に100MB, 1GBに変えてみるか?

一つのSSDを評価するのであれば乱数表を1GBにするのは簡単で合理的なアイディアだ。1GBの周期があった場合、SSDの内蔵コントローラのキャパをハンマーでぶっ叩くようなものだ。

まあ、100~256MBに拡張するのが簡単で良いかもしれない。

■750テラバイト目、 2014/12/13、老衰

耐久テストを一時中断止し、PCの電源OFF、他のPCに接続してから問題が表面化した。USBケーブルの動作検証が割り込みで発生したのが中断の理由だ。

USBケーブルの動作検証を終え、再開するに当たり念のためSSD内のテストデータのベリファイを行った結果、フリーズし動かなくなった。症状は特定のファイルを読み取ろうとするとそこでリード待ちに突入し動かなくなるちうものだ。

念のためにフォーマットを掛ける。問題なくフォーマットが掛かる。その後、スペースデデフラグで再度、テストデータの書き込みを行った。その結果が次の画面である。

1224C

スペースデデフラグはSSDを小さなデータファイルで埋め尽くし、その後、ファイルを間引いて隙間を作るものだ。その過程で累積7947秒(約2時間)、最大で55秒のプチフリを観測した。これをもって本SSDの寿命は尽きたと判定した。

1224A

CrystalDiskInfoの情報を上に示す。本SSDは一ヶ月以上前に書き込んだ古いデータは読み込みが極端に遅くなるというのはCrystalDiskInfoからも推測が出来る。つまり、代用セクター数、使用済予備ブロック数がほとんど変化していないことだ。この版のファームは寿命の尽きたNANDフラッシュメモリ素子のリペアが上手く作動しなかったように見える。寿命の尽きたNANDセルを使い続ける問題があったと思われる。

正直、テストの途中で新ファームが発表され、更新しようかと考えたが途中で検証条件を大きく変えるのはムリがあると断念した。

1224AD

このSSDは該当ファームにおいて健康状態を計る目安は識別子C3のECCエラーレートと推測する。RAWと呼ぶ値の増大を観測できる。

 

■SSD寿命カウンタへのフィードバック

本記事は、「SSD寿命カウンター」、延命高速化ソフト「プチフリバスター」、NTFSのSSD最適化ソフト「SSDブースター」の検証資料の作成も兼ねている。さっそく本SSDの情報は「SSD寿命カウンター」に実装している。

plxt

本記事の情報はSSDの寿命測定ソフト「SSDカウンタ」最新版にフィードバックしている。この版は現在最新版に反映され、アップデータとして配布している。

SSD寿命測定

このSSDのユーザはこれでこれで寿命の問題から開放可能だ。。

□□□□□□□□□PR
★★SSDの便利ユーティリティ高速化ソフト「プチフリバスター」および「SSD寿命カウンタ」、「ハイブリッドドライブ」
Windows 高速化 プチフリバスターSSD寿命カウンタハイブリッドドライブ
□□□□□□□□□PR