SSDの寿命の考え方と加速寿命テスト


SSDの寿命

SSDの耐久性テストの考え方をここにまとめる。SSDの寿命、つまり内蔵するNANDフラッシュメモリの寿命を測定する。この場合の寿命とは普通の寿命と毛並みが異なる。歯ブラシとか包丁の寿命と同じ考え方をする必要がある。磨耗して使い難くなるという性質のものだ。

そしてSSDのもう一つの問題点は技術の進歩と共に寿命がどんどん短くなっていることである。普通は技術の進歩と共に長くなるのだがNANDフラッシュはその逆を行く。これがまた大混乱の元になっている。

良く、SLC型NANDフラッシュで書き換え回数10万回、MLC型で1万回と言うがそれは5年以上前の話で今はMLC型の場合、800~3000回くらいだと思われる。60nm~80nmプロセスだったメモリが今では16nm~25nm微細化し、前提がひっくり返っているのだ。

そして、寿命の捉え方にも混乱がある。NANDフラッシュの寿命とはメモリがデータを保持できる時間が使えば使うほど短くなる。この短くなる時間をどこまで我慢できる範囲が寿命なのである。

良くMLC型は○○回書き込みが出来、これが寿命だという表現がポピュラーであるが、この表現は大滑りする危険性をはらんでいる。

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■2014年現在のSSDの寿命

【メーカ公開の耐久性データ表・クライアント用】

 公開メーカ  保証書込容量(TBW) 5年換算の保障値 NANDフラッシュ書込回数
※損失含まず
crucial MX100系  73TB 1日40GB書き込み  562回(容量128GB)
286回(容量256GB)
141回(容量512GB)
 シーゲート系
600 SSDシリーズ
36.5TB(容量120GB)
72TB(容量240GB)
72TB(容量480GB)
1日20GB書き込み
1日40GB書き込み
1日40GB書き込み
 304回(容量80GB)
304回(容量120GB)
152回(容量480GB)
プレクスター M6Sシリーズ 73TB 1日40GB書き込み  562回(容量128GB)
286回(容量256GB)
141回(容量512GB)
OCZ Vertex 460シリーズ 21.9TB(3年保障値より逆算) 1日24GB書き込み
(3年で1日40GB)
182回(容量120GB)
91回(容量240GB)
45回(容量480GB)
インテルSSD 530 36.5TB(5年保障値より逆算) 1日20GB書き込み 456回(容量80GB)
304回(容量120GB)
203回(容量180GB)
101回(容量360GB)
76回(容量480GB)

2014年8月現在、品質保証値として公開されているTBW(Total Byte Written,略してTBWと言う)を示す。クルーシャル(マイクロン)、シーゲートが公開している。インテルは例外的に毎日20GB書き込んで5年間保証という表現をしており、ここからみなしTBWとして逆算 している。最後のランを見て欲しい。TBWから算出したNANDフラッシュへの書き込み回数は76~562回である。

TBWはSSDの品質保証規格JESD218にて標準化された。JESD218では次の条件を満たしたものとなる。

【 JESD218A:SSDの耐久性試験】

分類 テスト時間 電源OFFでのデータ保持時間 FFR(故障率) 読み取りエラー率
クライアント(普通の使い方) 40° C
8時間稼動/日
30° C
1年
≤3% ≤10 -15
113テラバイトの読み取りで1ビット未満のエラー発生率
エンタープライズ(業務用) 55° C
24時間稼動/日
40° C
3ヶ月
≤3% ≤10 -16
1.1ピコバイトの読み取りで1ビット未満のエラー発生率

クライアントではTBWは気温30℃で1年間保管してデータが消えない品質で書き込める総量と総括できる。 JESD218Aの定める厳密な意味でのTBWは非常に厳しいものだと述べておく。


■SSDの寿命の考え方とテストの詳細

1.SSDの寿命の説明

SSD を構成するメモリ素子「NANDフラッシュメモリ」には寿命がある。この寿命は厄介な事に年々短くなっている。以前はMLC型で1万回書き込みできると言 われていたが、一つ前の旧世代の25nmプロセスのICで3000回程度と言われている。

NANDフラッシュメモリの寿命の特性

NANDフラッシュメモリは、一言で言うと、穴の開いたバケツだと思えば良い。ICの中にこのバケツが沢山入っている。水の変りに電子が詰まっており、この電子、少しずつコボレていく。そして書き込めば書き込むほど、穴が大きくなりコボレる速度が速くなる。

NANDフラッシュメモリのデータ保持時間と書き換え回数の関係

ゆえにNANDフラッシュの寿命は使えば使うほど磨り減っていく歯ブラシと同じと冒頭で述べたのである。

さて、このようなわけで現実にはNANDフラッシュは内容がこぼれて無くならないよう、定期的に水を足す必要がある。DRAMと同じようにリフレッシュする必要があるわけだ。後述するウェアレベリング(摩耗平滑化)という機能がリフレッシュを兼ねている。

NANDフラッシュはリフレッシュが必要

NANDフラッシュの寿命の有無とは、この定期的に継ぎ足す時間が十分長いか否かと言える。

SSDの寿命とはこういうもの

現在のSSDにはウェアレベリング摩耗平滑化と 言って、内部のメモリ素子を満遍なく均一に使用する機能が入っている。この結果、SSDはそれぞれのNANDフラッシュメモリに均等に書き込みする。ウェ アレベリングで書き込むNANDフラッシュメモリに既にいるデータは読み取り、他のメモリに退避書き込みするので、このタイミングでリフレッシュが起き る。

∴リフレッシュサイクル ≒ SSDの容量 / 一日の平均書き込み量

単純計算ではこのようになる。120GBのSSDで一日に6GB書きこみする人で約21日。同様に1日20GBの書き込みをする人で6日でSSD内部のNANDフラッシュメモリの書き込みは一巡する。

これまで快適にSSDを使っていた人が、一ヶ月ほど海外出張に出かけ、帰ってきたらSSDのデータが空っぽに消えていたという悪夢がここで可能性として想像できる。

NANDフラッシュの保持時間が破綻する

SSDで言う寿命が尽きるとは、このようにリフレッシュが間に合わなくなった状態と言える。ある日、電球の球が切れるというのとは大きく異なるので注意されたい。 NANDフラッシュの書き込み回数で寿命を数えると大滑りする危険性がここにある。「○○回まで使ったからまだ使える」という考え方は危険なのである。

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2.加速寿命テストとは?

ここで行うSSDの耐久テストは「加速寿命テスト」と呼ばれるものだ。要は普通の数十倍~数千倍のデータを書き込みいっきにSSDの寿命を削り取る。一般的に一日に6GB程度の書き込みをすると言われている。ここに一日に数テラバイト~数十テラバイトの書き込みを行う。

加速寿命テスト中のリフレッシュサイクルは5分~十数分と常識では考えられないほど短い。このためNANDフラッシュのデータ保持時間が5分~十数分に減少するまでリードエラーが発生しないという問題が生まれる。注意されたい。

  1. 通常の運用時 –> 数ヶ月から1週間の保持時間を維持できなくなりエラーが発生
  2. 加速寿命テスト時 –> 5分~十数分の保持時間を維持できなくなりエラーが発生

 

3.SSDの耐久性の現実的な考えた

SSDの寿命の考え方

SSD の特性を考えた結果、寿命をこのように捉えるべきだと結論する。SSDの使用域は3つのゾーンに別け、緑のゾーン内で使 べきと考える。特にビジネス用途であればなおさらこの範囲で使うべきだろう。次の黄色いゾーンはSSDの交換タイミングであり、無理して使うのであれば 100%完全なバックアップ体制の上で、いつ壊れても 良い覚悟で使うゾーンと判断する。レッドゾーンは待ったなし、何時、故障してもおかしくない状態だ。

本サイトでSSDの耐久性テストに利用しているSSD加速寿命テスター 「ssd_full_cmd」はSSDをSSDの寿命を一気にレッドゾーンに追い込む危険なソフトだ。ここで導き出された寿命は僅か数分のデータ保持しか できなくなるまでNANDフラッシュメモリを消耗させた結果だ。実際の運用ではもっと手前で障害が発生する。従い加速寿命テストの結果の1/2~1/3の範囲で使用すべきだ。

冒頭で「JESD218Aの定める厳密な意味でのTBWは非常に厳しい」と述べた理由がお分かりいただけたと思う。NANDフラッシュは磨耗するほどデータの保持時間は低下する。この保持時間をJESD218Aのクライアントモデルを満たすのはNANDフラッシュの書き込み回数が76~562回の範囲と裏読み出来る。

そして、一般的なユーザは一日平均6GBの書き込みすると言われているが、120GBのSSDの場合、要求されるデータ保持期間は21日でしかない。76~562回を越えても通常は障害は出ない。そして障害の出る時は潜伏期間を経て、NANDフラッシュがすっかり磨り減り、データ保持時間が短くなってから表面化する可能性がある。

ここに知らない間にSSDの磨耗が危険ゾーンに到達しており、リフレッシュが滞るとデータがどんどん消えて行くかもしれないという不安が脳裏をよぎる。

NANDフラッシュの寿命を回数で計るのは危険だと思うのはこのような理由からだ。SSDは推奨使用範囲を越えたら、NANDのデータ保持時間が相応に失われており用心が必要と考える。

 

3.リードオンリーモードについて

SSDは寿命を迎えると安全装置が働き、ROMとしてデータを保持する機能がある。筆者はASUSのS101内蔵のSSDが寿命を迎えROM化したのを見たことがある。

ROM化してもそのデータ保持時間は有限だと注意が必要だ。NANDフラッシュは磨耗するごとにデータの保持時間が短くなる。ROM化した後もどんどんデータは揮発していく事になる。

一日6GBの書き込みをしている人であれば120GBのSSDで20日でSSDのリフレッシュが一巡すると述べた。とすれば20日のリフレッシュサイクルを保持できないNANDフラッシュが大量に出た結果と考えれば単純計算で毎日6GBのデータが揮発していくと想像できる。

従い、ROM化したら大至急、SSDのバックアップを取り、保護すべきだ。ROM化したから安心だと思うべきではないと判断する。

また、SSD 加速寿命テスター「ssd_full_cmd」に限らず、加加速寿命テストをかけて、SSDを磨耗させた場合、リードオンリーモードは機能しないと思った方が良いと判断する。

要は通常の何十倍もの負荷を掛けて一気に寿命をすり減らすため、通常の運用でエ ラーが発生するゾーンを通り越し、NANDフラッシュメモリがデータを保持する余力がないレッドゾーンまで遷移するはずだ。

従い、SSDのリードオンリーモードの検証は加速寿命テストではアルゴリズム上、検証できないと考えたほうが良いだろう。

SSD内部に積算タイマーを仕込み、一定量書き込みが発生したらフラグを落とす装置を実装すればリードオンリー化は可能だが、それはもはやエラー検出の安全装置とは呼べず、かの悪名高き○○○○タイマーと呼ばれるものだろう。

本記事は、「SSD寿命カウンター」、延命高速化ソフト「プチフリバスター」、NTFSのSSD最適化ソフト「SSDブースター」の検証資料として記載している。

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