SK Hynix SL300 HFS250G32TND-3112A TLC型を耐久テストを紹介する。
■計測データ
本SSDのTBWは30TB未満という結果が出た。55℃の保温箱に1週間入れた結果、ファイルの読み出しで固まるという現象が起きた。
後続テストとして、保温箱に1週間の2/3の期間保管する追試をした。この結果、認識しなくなった。以上をもって本SSDの耐久性は30TB未満として判断する。
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後続テストは次の手順を踏んだ。
1.一度、フォーマットを掛けなおす。クイックフォーマットを実施。
2.容量の約80%のデータを書き込む。
3.保温箱に2/3週間入れる。
4.PCに接続。ここれでマウントしなかった。原因は不明。
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1.分解
このSSDは表題の画像で見るとおり、実にコンパクトだ。放熱対策は実施している。このようにケースに放熱パッドがついている。
内蔵のコントローラはシリコンモーションのSH87810というものだった。下の写真の真っ黒で何も印刷の見えないのがICには肉眼でかすかに見える程度に印刷がわかる。
これはNANDメモリだろう。このICが一面に4個はいっている。反対側はコントローラのみのようだ。これはNANDメモリだろう。このICが一面に4個入っている。反対側はコントローラのみのようだ。
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2.初回耐久テスト
72テラバイト書き込んだ時点で55℃の保温箱に1週間入れた結果、障害が出た。当ディスクには約80%の領域に4~4MBの乱数ファイルで埋め尽くしている。この乱数ファイルのチェックサムを取った結果、PCが固まり最後はブルースクリーンエラーが出た。特定の乱数ファイル(400個に一つくらいの割合)でロックアップして先に進めないという症状だった。
冒頭で提示しているが、ここでも再掲する。追試においては30TB未満という結果が出た。
この55℃に温度を保つ恒温箱(ヨーグルトメーカ)に1週間入れデータを保持できなくなったようだ。
【 JESD218A:SSDの耐久性試験】
分類 | テスト時間 | 電源OFFでのデータ保持時間 | FFR(故障率) | 読み取りエラー率 |
クライアント(普通の使い方) | 40° C 8時間稼動/日 |
30° C 1年 |
≤3% | ≤10 -15 113テラバイトの読み取りで1ビット未満のエラー発生率 |
エンタープライズ(業務用) | 55° C 24時間稼動/日 |
40° C 3ヶ月 |
≤3% | ≤10 -16 1.1ピコバイトの読み取りで1ビット未満のエラー発生率 |
TBWはJESD218ではこのように40℃で使用したSSDを30℃で一年間の保持できることと既定しているのだが、温度と保管期間は次の表に従うと考えている。
【JESD218の元となるインテルの温度表ガイドライン】
今回のSSDはアクセス時の温度が約40℃であった。従い、この図だと55℃で2週間保持できた時にTBW=72TBに合格すると解釈できる。実際には半分の機関の1週間入れて障害が出た。これよりこのSSDはTBW=35TB未満と推測する。テスト上は72TB未満とジャッジする。
これ以上のレポートは追試により出すしかないだろう。
3.TBWの見直し、必要十分の確認
本サイトではSSDの必要な耐久性は次のようなものだと従来から考えている。
【 SSDへのデータ書き込み量目安】
ハイバネーションON 搭載メモリ4GB |
ハイバネーションON 搭載メモリ8GB |
ハイバネーションON 搭載メモリ16GB |
ハイバネーションON 搭載メモリ32GB |
ハイバネーションOFF | |
1日の推定書き込み量 | 12GB+10GB | 24GB+10GB | 48GB+10GB | 96GB+10GB | 0GB+10GB |
1年の推定書き込み量 | 8TB | 12.4TB | 21TB | 38.7TB | 3.6TB |
※1.ハイバネーションは一日3回発生すると仮定する。朝PCを起動し、打ち合わせが午前一回、午後一回、昼食時と合計3回ハイバネーションが発生すると仮定している
※2.一日のディスクへの書き込みは10GBと仮定している。ヘビーユーザで10GBというのが本サイトの見解である。おそらく多くはその半分の5GBくらいだろう。
ハイバネーションをOFFにした時、一日10GB書くヘビーユーザであり、実際には5GBが大多数だろう。ゆえに次のように考える事にした。
- 平均一日5GBで年間1.8TB、10年で18TB、これが通常の必要条件である。
- 一日10GB書くヘビーユーザでも年間3.6TBで5年保障として18TBあれば実用上問題ない。
実際には四捨五入して20TBが現実的に必要な耐久性と考える。
さて、ハイバネのON/OFFは極めて重要なので「SSD最適化設定」を無料配布している。SSDユーザはこのツールによりWindowsをSSD用に設定する事を推奨する。ハイバネーションをONにする時はSSDへのダメージを良く理解して設定して欲しい。
そしていずれにせよSSDだからこそきちんとしたバックアップが必要だ。JESD218の定めるTBWのデータ保持時間が1年間ということは厳然とした事実なのだ。もしバックアップツールを導入していなければ本サイトではSSDと相性の良い差分バックアップツール「PBTM+TM」の導入を勧める。有料のPro版で最大2000世代まで、フリー版で2世代まで差分バックアップをとりSSD利用者のデータを保護する。