ここではSSDに実際に書き込まれるデータ量がどれくらいかをレポートする。結論を先に述べよう。10GB/日である。これは筆者の結論だ。
1.調査環境
OS | Windows7-64bit Pro |
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CPU | Core i7 4790 |
ディスク構成 | CドライブがCFD販売HG6Q 512GB。Dドライブはバックアップ専用ハードディスク。 |
メモリ | 32GB |
備考 | ソフト開発、電子メール処理と通常業務を実施。Cドライブのアクセス量を調査するため例外を除きC:ドライブを全処理を実施。24時間連続運転。 |
SSDへのアクセス量調査が目的のため意図的にこのようにした。
その結果がこれである。約10GB/日。これが比較的ヘビー用途に属する。
http://www.toshiba.co.jp/tech/review/2011/09/66_09pdf/a03.pdf
東芝のレポートでは一日の使用量は4GBとなっている。使い方の相違を考えると極端な乖離ではないと考える。そしてここではこれより10GB/日という数字が一日の使用量の目安であると判断する。
2.SSDの最適化設定
東芝のレポートでは1日に約一回のハイバネーション(スリープ時、メモリをディスクに書き込む)の使用量を約1GBと計算している。当サイトではここにおいて大きく見解が異なる。
■昨今、実メモリは8~32GBが主流
今の時代メモリは8~32GBである。従い一回のハイバネで8~32GBを目安に書き込みが発生する。※厳密には実メモリの7割が目安。
当サイトではハイバネーションの書き込みを8~32GBと見ている。
■128GBにおけるハイバネと仮想メモリの問題
これは16GBのメモリを載せたノートPCのディスクの使用内訳を示したもの。判りやすくするため128GBのSSDを詰んだPCの分析図を示す。
貴重なSSDのうち約27GB、実に25%近い容量をメモリとハイバネで消耗しているのが判る。正直言ってSSDのバイト単価を考えるとハイバネーションとゆとりシャクシャクの仮想メモリは採算が取れない。512GB詰んでいれば看過しても良いかという比率と言える。この配置はクリーンインストールしたWindows7-64ビットの一般的な設定だ。
従い128GB,256GBのSSD用の設定は次のようにすべきだ。
- ハイバネーションは高く付くからOFF
- 仮想メモリは1~4GBにする
これが常識的なSSDの設定ということになる。
少なくとも仮想メモリが実メモリと同量というのはハードディスクを前提とした設定でSSD向けとは言いがたい。仮想メモリは適時リサイズするべきだ。
SSDの使用にあたりこれらの設定を推奨する。本サイトでは「SSD最適化設定」というフリーウェアの使用を推奨する。SSDの使用に当たり本ソフトによるケアを推奨する。
結論
ハイバネーションの有無はOSの標準の機能であるからOFFを躊躇する人もいるだろう。しかしこの機能がそもそもハードディスク用の機能でSSD用とは言いがたいこと。高価で容量が少ない中のやりくりを強いられるSSDにおいては本末転倒な機能である事よりOFFが正解と結論する。
例外はあるとすれば最初から4GB未満のメモリしか詰んでいない64ビットOSのユーザか4GB未満しか認識しない32ビットOSとなる。
4GB未満しかメモリを詰んでおらずSSD搭載の64ビットOSは構成ミスと思われ考慮外だろう。32ビットOSの場合は仮想メモリとハイバネの総量は8GB未満となりこの場合は真面目にドントケアでも問題ないだろう。
以上64ビットOSのユーザであればハイバネはOFFにすべきであり仮想メモリはリサイズするべきだ。